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2016年8月 8日 (月)

甲状腺患者から見えた原発事故(6)福島県内7方部の空間線量を発見する

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■日本医師会へ手紙を書く

私が初めて日本医師会に相談の電話をしたのは2011年5月2日だった。この時期、すでに厚生労働省が輸出添付文書が発行されてしまっていた等とは露知らず、ただ「薬の放射線の安全基準」についての要請依頼と、私の居住地におけるジェネリック製薬への対応の矛盾等を相談しようと思っていた。

5月2日 医師会地域医療第一課の担当者と話した。自分が患者であること、福島県いわき市にある製薬会社の薬を経口していること、そこの雑草の放射線データーが目眩がするほど高いこと、そして現実に、製薬会社は放射線が検出されたが出荷してしまったと言っていること等を伝えた。  しかし、厚生労働省に何回か電話をしたが、供給優先で安全性について取り合ってもらえないこと、様々なことを考慮すると、現在の薬は怖くて飲めないこと、しかし、薬を変更したくて98%シェアの歪みで不可能なこと、開業医はジェネリックの処方箋を書きたがらず、処方箋薬局もジェネリックの製剤名も会社名も全く知らない現状であり、政府の政策と現実に齟齬があること等を話した。

 
そして、詳述した手紙を送付したいが、送付先を教えてほしい旨尋ねた。担当者は「自分がしかるべき窓口に渡す。」と言ってくれた。この後、5月17日詳細な時系列な資料を添付し手紙を送付した。内容としては、今まで私が体験した情報をまとめたものだったが、かなりボリュームがあるものとなった。

■5月8日、福島県内7方部の空間線量を発見する!

 この間、すでに原発はメルトダウンしていたことも報道され、4月19日以降、いわき市沖一キロのコウナゴから暫定基準値の29倍に当たる1万4400ベクレルの放射線セシウムが検出された。


4月3日
いわき市の路地もの椎茸からヨウ素3100ベクレル、セシウムは4504ベクレルもの放射線が出てきた旨の報道もあった。それにもまして、驚いたのは5月3日福島県県中浄化センター(郡山市)から、下水汚泥から1キロあたり2万6400ベクレルの高濃度のセシウムが検出された。汚泥を減量化処理した「熔融スラグ」から1キロあたり33万4000ベクレルのセシウムが検出されたという報道があった。(事故前の300倍)


この下水汚泥の数値から推測すると、いわき市の雑草の放射線データーは決して幻の数値ではなく現実なのだということを了解した。 おそらく、放射線は雨で雑草から流れ土に染み込み、土から移動して下水に流れていき、汚泥
となって見たこともないほどのセシウムが検出されたのだという推論が成立する。私は、この時点で私は文部科学省の雑草のデーターを事実として認識し患者として、いわき市における放射線データーを明快にすべく闘わなければならないことを決意した。

■あすか製薬に正式に抗議を入れる


5月6日
 健康相談ホットラインに電話を入れた。福島県のこの下水汚泥事件の数値を背景に、いわき市の雑草のデー ターにつき経緯を話し、私は患者であってこの市にある製薬会社の薬を飲まなければならないので、その安全性の不安を相談した。
「いわき市にある製薬会社が、放射線は検出されたと言っているが、データーは公表してくれない。」と訴えた。また「原発事故から50日位経って、こんなに驚異的な数値が下水処理場から出ているのにも関わらず、最初の政府見解通り、放射線はまだ大丈夫と言うのか。」と私は正した。健康ホットラインの担当者は「数値は流動的になっている。だが統一見解として、セシウムは大丈夫としか言えない。そういう事情があれば、不安は理解出来る。放射線データについては、その製薬会社に再度確認したらどうか。」とアドバイスを受けた。

 (「熔融スラグ」から1キロあたり33万4000ベクレルのセシウムが検出されたという報道があっても、なお統一見解として放射線は大丈夫と繰り返しているというのは、統一マニアルが存在していることをほのめかしている。) 
 これだけ大きなデーターが出ているのだから、もう少し突っ込んだ相談も可能かもしれないと、再度、あすか製薬に電話を入れることにした。


5月6日
 再度あすか製薬に電話を掛けた。私が放射線データーに拘っているため、対応は責任者に変わった。責任者は「GNPというルールに則り製造している。製造に必要な水は購入している。いわき市の飲料水は、放射線は不検出であったことで安全であることを理解していただきたい。」と回答した。しかし、私は「御社のニュースリリースの3の条項だが、福島県は放射線測定結果をホームページ上に掲載し体に影響がないことを公表しているが、下水処理場からも2万6400ベクレルの数値が出たことは報道された。いわき市には、3月18日雑草の放射線濃度はヨウ素690.000ベクレル 、セシウム17.400ベクレル、3月23日ヨウ素451.000、セシウム30.300ベクレルという驚くべき数値が検出されている。このデーターは文部科学省のホームページから発見したが、いわき市災害対策本部もこの情報は知らなかった、福島県の薬務課も知らなかった。

御社は知っていたか」と問うと、「知らなかった。」と回答した。「それで、安全だと言うのか。少なくとも安全性を言うのならば、すべての情報を掌握した上で言ってもらいたい。工場内外で放射線量を測定し大気中に問題がないのなら、その数値はいくらなのか、具体的数値を出してもらいたい。患者は御社の薬を毎日飲まなければならないのだし、自分の命に拘わることなのだから……。御社が被災者であることも理解している。しかし、98%シェアとなれば、ほとんどの人は御社の薬を飲まなければならない。それゆえ、御社の薬の安全性が重要になるのだ。今回の原発事故は、未曾有のことで、慎重に慎重を重ねてしかるべきではないのか。」と提言した。責任者は「上にあげて検討したい。後日連絡する。」と回答した。


5月8日
 見たこともない聞いたこともない下水汚泥の驚異的数値も気になったが、すでにセメントに製造されて出荷済みといかいう報道をみると、汚染はもっと拡散したのかもという危惧もあり、いろいろなサイトを検索した。
この日、初めて既に3月25日 美浜会というNGOが作成した福島県内7方部の空間線量率の変化というグラフをたまたま発見した。このグラフによれば、3月15日いわき市が他市に抜きん出て高く目算では24μ㏜/h位はありそうだった。(正確な数値は23.72μ㏜だった。)
この数値によって、私が見た雑草の目眩がするような放射線数値の背景を理解した。空間線量も確かに高かったのだ。

しかしながら、どうしてこのデーターに気づかなかったのだろうと私は思った。確か、いわき市の放射線数値の最高値は3月21日11:00am6㏜である。再度いわき市のホームページに掲載されている放射線測定のデーターの一覧表を再チェックしてみた。すると、奇妙なことに、いわき市のデーターに3月15日のデーターはなかった。3月16日から始まっている。しかも、12:00pm3,37㏜から始まり、3月17日以降は下がっている。こんな重大な事実をいわき市は、何故ホームページに掲載しないのだろうか。

いわき市が、何故3月15日を掲載していないのか……謎だった。(この時はまだ、福島県内7方部放射能環境モニタリングデーターの一覧表を見つけだしていなかった。いわき市のデーターと福島県内7方部のデーターは別なものだと勘違いをしていた。)何故だろう? 私は謎解きのように考えた。

 
水素爆発はいつだったか…3月14日11:01amだった。 様々な検索を試行錯誤し、ようやく文部科学省のホームページから福島県内7方部放射能環境
測定結果なるものを発見した。そこで、その頃には公開されていたSPEEDIを検索してみることにした。それを一時間ごとに追いかけみると、3月15日3:00am~4:00am空間吸収線量率は、3号炉から怖くなるほどの放射線がいわき市へ向かって流れていく予測をしている。4:00amになると2号炉からの放射線に変わっている。この4:00amの数値は、福島県内7方部の空気線量のデーターでも、いわき市は最も高く23.72㏜/hとなっていて、ほぼ一致している。3月15日の数値をいわき市が知らない訳がないだろう。ならば、何故掲載しないのか。

■原発事故後いわき市に電話を入れる

5月10日 いわき市の災害対策課へ確認した。私はいわき市の雑草の目眩がするような数値を伝え、「いわき市に掲載しているデーターと私が見た文部科学省のデーター福島県内7方部の空気線量の数値が違う。それによれば3月15日2:00amに18.04μ㏜ 4:00amに23.72μ㏜/hとなっている。しかし、いわき市のデーターは翌日から始まり、しかも3月16日も放射線が下がった12:30Pm3,37μ㏜から始まっている。これはどういうことか。」と聞いた。災害対策課の担当者は「データーのすべては福島県対策本部が測定している。あれは、1時間おきに測定しているので載せていない。雑草のデーターも知っているが、健康に害がないと聞いている。」と回答した。
私は「測定の時間が異なるとはいえ、いわき市の一番高いレベルの数値を掲載せず市民に告知しない等ということは理解できない。もっと困るのは御市対策本部のデーターを根拠に安全宣言をしている製薬会社がある。文部科学省から出された3月18日ヨウ素690000ベクレルの雑草のデーターについても掌握していなかった。この平(たいら)字梅本という住所は御市の合同庁舎と同じ地点であることは確認済みだ。こうしたデーターの出し方をすると、市民も他の機関も大きな影響がある。十全な情報開示を要望する。」と電話を切った。     

しかし、もっと驚くことがあった。この雑草のデーターは、いわき市のホームページに一年以上経っても掲載されていないままになっていたということだ。というのも、2012年3月18日政経営部災害対策課に電話した折、同窓口の後任の担当者に、その件を尋ねると、福島県7方部放射能環境モニタリング資料のデーターは知っていたが、文部科学省の驚異的数値の雑草のデーター自体を知らなかった。ということは、一年以上も経って、申し送りもしなかったということだろうか。しかし、こんな濃い数値のものを一度として掲載もせずにいたなんて……。私は呆れた。

 2012年3月20日去年掛けた電話番号が残っていたので、そこにかけるとそこは罹災証明の課になっていて、私が去年話した男性の名前を知らなかった。結論的に言えば、当時危機管理課は、現在の罹災証明の課に臨時的に机を設置していたとの事情が判明し、若干時間が掛かりつつ、その男性は臨時職員ですでに退職しているとのことだった。
すると、緊急事態に話窓口で対応していた人が臨時職員で、その場対応の返答をしていたとも予測される。あるいは、いわき市のマニアルが存在していてそのとおり繰り返した可能性もある。その方が高い。すなわち、いわき市では、そんなデーター事態存在しなかったことになっていたのではないか……。私の頭は、益々混乱した。

5月10日 あすか製薬薬相談室の責任者から電話があった。もとより、連休明けに中間報告をしてもらえることになっていた。
「いろいろインターネットでデーター等を調べたが、放射線の空間線量はそう多くないので安全かと……。」と担当者。私は「いわき市のデーターでは、肝心なデーターが欠落していることが分かった。一昨日、美浜会というNPOが作成したグラフを発見したが、それによると、3月15日にいわき市に23,72μシーベルトという数値が出ている。多分水素爆発があった翌日のためだと思うが、いわき市の対策本部は3月16日以前のデーターは掲載していなかった。驚いて調べてみたが、福島県内7方部放射能環境測定というらしいのだが知っていたか?」と問うと「知らなかった。」と回答した。
「いわき市のデーターには、こんな数値が掲載されていない。その事情をいわき市の災害対策本部に聞くと、「そのデーターは一時間おきに測定しているので載せなかった。雑草のデーターも知っているが安全だと聞いている。」と言われたと私は伝えた。「停電やガソリン不足などで市民は大変だったらしい。ホームページに高い数値が掲載されていなければ、市民は安心して外に出歩いたりするだろう。知り得た情報はすべて掲載しないと余計な被爆をする可能性もある。」と窓口の責任者に伝えた。


つまり、「いわき市のホームページに掲載されているデーターは、3月16日には3,37μシーベルトから始まっていて、3月23日最高で6μシーベルトが一番高い。何故いわき市が、掲載しないのかの理由も定かでないが、御社が根拠とするこのいわき市のデーターは、必ずしも正確とは限らない以上、御社の安全性の論拠も希薄になってくるだろう。既に先回伝えた3月18日雑草の放射線濃度はヨウ素690.000ベクレル 、セシウム17.400ベクレル検出されたモニタリングデーターについても御存じなかったし、安全を語り全国の甲状腺患者にそれを告知する以上すべての情報を掌握してから告知してもらわないと、不安を払拭できない。患者は恒常的に365日御社の薬を飲むのだから……。そういう薬を御社は作っている当事者ではないか。毎日、放射線を測っているということならば、一日何回測定しているのか、出荷製品から放射能が検出されたというのなら、ではどれ位の数値なのか、患者に安心感を与えるためにも、是非公開してもらいたい。」と再度依頼したことを繰り返した。

責任者は「今検討しているが、なかなか進捗しない。連休に入るので一週間位かかる。」と言った。   (つづく)

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☆ブログ更新しました。 

☆これは2011年原発事故当時のことを綴ったものです。自分でも忘れていた事実を、再度確認したいために、再掲載しています。

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